心理療法

心理療法の役目とは、人が闇に葬った都合の悪い心の部分に自ら光を当てられるようにお手伝いすることです。

熱心に心の癒しに取り組むことで、自分独りでも時間をかけて次第に闇に光を当てられるようになるはずですが、それには相当の努力と根気が必要とされます。

なぜならそれは例えて言えば、自分で自分に麻酔をかけて、自らお腹にメスを入れて患部を摘出する手術をするようなものだからです。

人は無意識的に心の闇の部分から常に目をそらそうとしてしまいます。元々、目をそらしてしまいたい、つまり見たくない部分だからこそ光の当たらないところへ押し込んでしまったものだからです。

自分自身にとって都合の悪い闇の部分とは、到底認めることができないと本人が思っているような否定的な部分です。なぜそこに光を当てなければならないかといえば、その部分が外部に投影されることで本人の人生に様々な都合の悪い事象が起こるからです。

本人が隠したものは必ず投影されて本人の目の前に出現するのです。そうやって、それは自分とは違うとして安心しようとするのです。

心理療法ではそれこそ自分の闇の部分なのだということに気付いてもらうように仕向けることで、今までまったく手付かずだった心の闇に次第に目を向けることができるようになるのです。

私たちは知らぬ間に自分の心の中にたくさんの闇の部分を作り出して、自分からも他人からも気付かれないようにして生活しているのです。

どんな人でも例外なく、そのことに気付いて闇の中に隠されたものを自分の目の前に全部さらけ出して、しっかり認めることが必要なのです。

それが結局自分を許すということを意味します。心を癒して、人生を輝き光る満ち足りたものにしていくためには、どうしても必要なことなのです。心理療法はそこに焦点を当てつつ、様々な方法でそれをバックアップするものと言えます。

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