進歩の原動力

この世界は日進月歩の発展を続けています。より便利に、より快適に、より楽に、より速く、より安く、というようなことを継続して続けていますね。

自分が子供の時と比べると、すっぱい果物というのをあまり見かけなくなってきました。品種改良によって甘くておいしいフルーツばかりになったと感じざるを得ません。

音楽を楽しむのに、大きくて扱いずらいレコード盤からCDやMDへ、そして今ではファイルでダウンロードしてポケットに入れて楽しめる時代になりました。

東京から大阪へ出かけるときにも、小学生のときに新幹線ができて、その後も新幹線のスピードが徐々に上がっていって、いずれはリニアモーターカーの出現によって一時間程度で着いてしまう時代がやってくるのでしょう。

便利に快適になっていく原動力とは一体なんだと思いますか?それは実は不満を感じる我々の感覚なのです。満足していたら、それ以上のものを望まなくなるからです。

ということは、とどまることなく進歩しているということは、それだけ我々の心が満たされていないということの証明になってしまうのです。

私たちの望みは限りがありません。何かの不満を満たしてもらったら、すぐにその次の不満が出てきてしまうのですから。

そうして、次々と願いを現実化していくのです。それなくしては、世界の進歩はないということです。では、もしもみんなが満たされた心になってしまったらどうなるのでしょうか?

今この瞬間に完全に満足してしまったら、何も願うことも望むこともなくなってしまうのですから、進歩はなくなってしまうはずですね。

でもそれはそれで構わないのです。なぜなら、満たされているのですから。私たちの暮らしが便利に快適になるのは、幸せではないからということです。

これってずいぶんと皮肉なことだとは思いませんか?世の中の変化に目を見張るだけではなく、決して変わることのない満たされた心をいつも感じていることができたら、とてもすばらしいと思います。

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