エゴの洗礼

私たちの誰もが、人生の最初の頃に教え込まれること、それは「お前のままではだめなんだ!」ということです。これは、きっとどんな人でも似たような教えを受けているはずなのです。

その度合いは人によって様々なのですが、本質的には誰もがこのような教え、メッセージを毎日受け取ることになるのです。それが、エゴの洗礼なのです。

そして、そのことが度外れてひどかったり、またその子がとても鋭敏な感性を持っていると、その子のその後の人生は大変悲惨なものとなってしまうのです。

なぜなら、「自分のままではダメだ!」という洗脳が片時も離れないのですから、本人としてはゆったりと安心してはいられなくなってしまうからです。

いつも、このままではダメだ、何とかしないといけないという感覚が常に自分を襲うことになるのです。本人としては、かなり頑張るのですが、何をしても満たされるなどということはあり得ないわけです。

なぜなら、自分のままではダメだという深い思い込みがあるのですから。本人は、ダメな自分から脱出するために、まずありえないような理想的な自分像というものを作るのです。

理性では、そんな人はこの世界に一人もいないと分かってはいるのですが、とりあえずそのような自分になれるようにと頑張るのです。

その一方では、「そのままではダメだ」と言った親に対する抗うことのできない不満な気持ちが、あらゆる形の問題行動となって現れてくるのです。

本人の意識しないところで、そのような問題行動が現れてくるために、それは理性的な本人にとっての罪悪感となってしまうのです。それで、更に自分をダメ出しするようになるのです。

そうやって、負のスパイラルが完成するのです。親に対する不満が問題行動を起こし、それによる罪悪感が自分を責めることで、更に問題行動を加速させるというわけです。

もしもあなたの人生が、何となく闘いだと感じられるなら、このような洗脳が強くあなたの中に残っているということを疑ってみることです。

人生の初期になされたエゴの洗礼は、こうしてあなたの人生を根底から辛いものにさせてしまうのです。とにかく、気づくことです。そうして、必要な癒しを進めていくことです。

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