私たちは通常、何かの出来事が自分や周りの誰かの身に起きると思っています。あなたの人生は、まさにあなたの身に起きた出来事の歴史から成っているわけです。
けれども、仏陀はかつてこう言ったのです。「生は物で成り立っているわけではない、出来事から成り立っている。」この真意は一体何なのでしょう?
つまり、この世界はただ出来事が起きることだけが続いているということ。何かが起きつつあるだけであって、それを体験するナニモノもないということです。
私たちの感性では、例えば何事も起きなくても、自分という個人はただここにこうしていると思い込んでいるのですが、それは間違いだということです。
私たちという主体が存在するという感覚は間違いで、それすらただ出来事の一部として起きていると言いたいのだと思うのです。
だとすると、私もあなたも特別な存在ではなく、川が流れたり風が吹いたりするのと同じように、ただ出来事として起きていることに過ぎないということなのです。
言わんとしていることが分かるでしょうか?あなたが歩くことも、何かを決意することも、単なる出来事の一つだということです。
このことを深く理解するならば、どんなことがあろうと深刻に受け止めることがなくなるはずです。間違いも不正も罪深さも、全部まとめてただの出来事なのですね。