エネルギーは友を呼ぶ

 「類は友を呼ぶ」という言葉がありますが、この法則(?)を肌で感じたことが一度もないという人はいないのではないかと思います。似たような個性や性質などを持った者同士が自然と寄り集まるという意味ですが、これをもう少し本質的な言い方に変えると、「エネルギーは友を呼ぶ」ということになります。この場合のエネルギーとは、東洋で言うところの「気」に相当するものと考えて下さい。エネルギーは、生き生きと満ち足りた気持ちで生きていると上がってくるし、怖れや怒りなどを代表とした様々なマイナスの感情、そして自己嫌悪や罪悪感などを溜め込めば溜め込むほど下がってきます。

 そしてこのエネルギーの上下のレベルの近い者同士が引き付けあうということです。人生の中で親しくなる友人や恋人など、すべて同じようなレベルのエネルギーなのです。エネルギーは引き付けあうだけではなく、互いに影響しあってもいるのです。従って、多少の差があった場合でも、その二人が親しくなると、エネルギーのより高い方の人は低い方の人に引き下げられるし、逆にエネルギーの低い方の人は引き上げられる可能性が出てきます。どちらがより相手に影響力があるかにもよるかもしれません。

 例えば、自分の父親がまだ若いときにあるレベルのエネルギーで生きていて、その父親が出会って結婚までした母親のエネルギーも似たようなレベルだったということです。母親のエネルギーのレベルが父親よりもすごく高かったり低かったりしたら、二人は出会うことができたとしても、親しくなって結婚するということはなかったはずなのです。その二人の元に生まれた自分のエネルギーはどうなのでしょうか?生まれたばかりの赤ちゃんにはマイナスの感情エネルギーの蓄積がないため、そのエネルギーは非常に高いのです。

 そしてここで、一生のうちでたった一度だけ特別な経験をすることになります。それは、3ヶ月、6ヶ月と両親と一緒に暮らすうちに、次第に親のエネルギーのあたりまで引き下げられていきます。そうやって、家族はみな同じようなエネルギーで生きていくことになるのです。その後は、自分の力でエネルギーを上げる努力をしない限り、大きくエネルギーが上がることはなくなってしまいます。逆に、自分の力でエネルギーを下げていってしまうことはいくらでも起きてきます。子どもの頃に溜め込んだ怖れに負けて、本来の自分を表現せずに生きていくと、どんどんエネルギーのレベルは下がってきてしまいます。

 エネルギーをもう少し細かく見ていくと、単なる上下のレベルというだけでなく、やはりエネルギーのマイナスの傾向というものもあって、そういう傾向の似たもの同士が引き付けあうということもあります。例えば、学校でイジメに遭う子どもは、クラスが変わったり別の学校に転向してもやはりイジメに遭いやすいのです。それは、その子のイジメを誘発するエネルギーに引き寄せられて、イジメを行う子が寄ってくるのです。ちなみに、いじめられる子といじめる子のエネルギーはとても近いものがあります。ただ怒りの向きが外に向くか内に向くかの違いだけなのです。

 癒しを進めて行くと、感情が開放されてエネルギーが上がっていくため、それまでお付き合いしていた人間関係ががらっと変わっていってしまうのです。今まであれほど親しく交流していた人なのに、なぜか疎遠になっていってしまったり、逆にそれまでただの知り合いだった人たちと新たな関係ができてきたりするのです。これはみな、エネルギーのなせる業なのです。家族といえども、互いのエネルギーがずれてくるに従い、それほど親密ではなくなってしまうということも起きてきます。

 もしも家族のように互いにエネルギー的な結びつきが強い人たちの誰か一人が、癒しを進めてエネルギーのレベルが上がってくると、起きる事態は次の三つのうちのどれかになります。一つ目は、その人のエネルギーの上昇に引っ張られて、他の人のエネルギーも上がってくる。二つ目は、他の人のエネルギーが変わらないでいると、上がろうとしていた人のエネルギーも引き戻される。そして、三つ目は、それでも頑張って癒しを進めてエネルギーを一人上げていくことができると、エネルギーを変えない残りの人たちとの関係が疎遠になっていくということです。エネルギーが疎遠になっても、それはそれで悲しむようなことではなく、自然に人間関係が変わってしまうということなのです。

 このエネルギーの法則には例外はないと思っています。セラピーの仕事を始めてから、何度かこれは例外なのかもしれないという事例にも出会いました。例えば非常に苦しんでいる奥様がクライアントさんとしていらして、ご主人について伺うと、とてもすばらしいご主人であるように思わされることがありました。奥様があまりに辛い状態なので、何かの存在が彼女を引き上げて救ってくれるご主人と出会わせてくれたのかとも思わされたりしたのです。しかし、クライアントさんの癒しを進めていくうちに、やはりご主人のエネルギーはクライアントさんと同じようなレベルであったのだということが判明してくるのです。つまり、クライアントさんである奥様の心が病んでいたために、ご主人を自分とは違って悩みなど無縁なとても幸せな人と評価してしまっていたということなのです。

 このエネルギーの法則には、もう一つ大切な側面があります。それはその人の身に日々起きている現実は、その人のエネルギーのレベルに見合ったものであるということです。先ほどのイジメに遭う子どもの例のように、苦しいエネルギーを持って生活している人には、苦しい現実が起きてくるのです。泣きっ面に蜂という言葉があるように、エネルギーのレベルが低下気味の時には、悪いことが次から次へと起きてくるのです。心の中が小さい頃から不安で満ちている人は、不安を感じる現実が次々と起きてきてしまうのです。それは自分のエネルギーに合わない世界では生きられないからと考えることもできます。

 例えばこのように捉えると分かりやすいかもしれません。地球上に暮らしている我々は平面、つまり二次元の世界で生きていると思いこんでいます。しかし、本当は高いエネルギーの層から低いエネルギーの層までが無限に続く三次元の世界と考えることもできるのです。地表をうろうろ歩き回る我々は二次元的にしか見ることができないですが、実は無限に続くエネルギーの階層の中で生活しているということなのです。それが重なって二次元のように見えているだけなのです。だから、生きてるエネルギーの層があまりにも違う人とは、挨拶を交わすことはできても、人生の中で深く関わることはできないのです。

 子どもの頃に聞かされた天国と地獄の話では、いい事をした人は死んで天国に連れていかれ、悪いことをした人は地獄に突き落とされるとされてますが、これも実はその人のエネルギーのレベルに適した死後の世界に引き付けられて自ら行くと考えた方がいいのです。自分のエネルギーに不適合なエネルギー空間には住むことはできないということです。だから人は強制されて地獄に突き落とされるのではなく、自分にマッチした場所をひとりでに選んでしまうということなのです。

 自分の周りにいる親しい人たちをよく見つめてみて下さい。そうすれば自分のエネルギーのレベルも大体見当がついてきます。自分のエネルギーのレベルに危機感を感じたら、できるだけ癒しを進めていくことです。それには、エネルギーを下げてしまう元凶となっているマイナスの感情を直視して、充分に味わって開放することです。マイナスの感情エネルギーは例えて言えば、気球に積まれた砂袋のようなものです。気球はバーナーで内側の空気を熱して上昇していくのですが、いつまでもバーナーだけに頼っていては、いずれ燃料切れになってしまい、それ以上上昇することができなくなってしまいます。砂袋を少しずつ投げ捨てて自然と上昇させて、必要となる気流に乗せてあげるのです。

 癒しを進めるとはまさにそうやって砂袋という感情を開放しながら、上昇気流に人生の流れを乗せてあげることなのです。そしてまた時々、周りの人たちをチェックしてみるのです。依存のない気持ちのいい人たちが周りに増えてきたらそれだけ自分のエネルギーが上がってきたということです。そして、エネルギーレベルの上昇に見合った現実があれこれと起きて来るはずです。



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