毒出し体験

 多忙なサラリーマン生活を辞めて、毎日家に居る生活が始まった頃のことです。それまで、社会人になってから一度も味わったことのないようなゆったりとした毎日を過ごし出したせいなのか、身体にいろいろな変調が表れ始めました。最初に気がついたのは、手と足の指の先がしびれた時のようにジンジンしていることでした。これは、今でも瞑想すると、かすかに感じることができるのですが、その当時は実際にしびれが切れたときのような感覚が四六時中あったのです。

 ただし、それほど激しい感覚でもないし、痛いわけでもなかったため、なんだろうとは思ったもののそのままにして過ごしていました。結局そんな状態は2〜3ヶ月も続いたでしょうか、その後次第にその感覚は小さくなって気がついたら全くなくなっていました。今思うと指先から体内に溜まっていた毒が出て行っていたことがはっきりと分かるのですが、その時はわけも分からずにただ漠然と感じているだけでした。

 その頃、たまたま近所にいらしたあるヒーラーの方のところで、フラワーレメディを処方してもらうようにもなって、更に毒出しが活発になっていた記憶があります。一番すさまじかったのは、ある晩のことです。いつものように、布団に入って寝ようとしていたときのことです。全身の感覚がいつもとは全く違うことに気がついたのです。何かなと思ってしばらくすると、指先のしびれに多少似た感覚の馬鹿でかいのが全身にやってきたのです。

 目をつぶっているのですが、まぶたの裏の真っ黒なところに上の方からものすごく綺麗な光のシャワーが降ってくるのが見えるのです。それはまるで花火のようにも思えました。何て綺麗なんだろうと思っていると、全身を頭の方から足の方に向かって何かが身体の中をものすごい勢いで流れていく感じが始まりました。シャーという音まで聴こえるような感じでした。

 しばらくそのままでいると、背中の下の布団がバタバタと旗めくように波を打って動いているような感じがして、自分の身体も布団の動きに合わせてバタバタさせられている感覚がリアルにあるのです。これにはさすがに驚きました。そして気がつくと、心臓の鼓動が激しくなって、全身にひどい悪寒が走り、突然吐き気がしてきたときに、怖くなって上半身だけ起こしたのです。

 起きるとすぐにその感覚はなくなってくれたので、怖さはなくなったのですが、自分の呼吸がゼイゼイいっているような感じでした。今のは何だったんだろうと考えながらも、寝ようと思い仰向けになろうとすると、またさっきの感覚がやってくるのが分かるのです。もう怖くて目をつぶれないので、光のシャワーもまたやってきていたのかどうかは分かりません。

 横になっては起き、しばらく休んでまた横になって起きと、そんなことを繰り返しながら、気がつくと明け方になっていました。何としても眠りたかったので、そうっと身体の側面を下にした状態で膝を曲げて体を固定していると、何事も起きなくなり、ようやく眠りにつくことができたのです。その夜自分は何かの病気になってしまったのかもしれないと真剣に思いました。

 しかし、それはヒーラーの方のアドバイスですぐに毒出しだったのだと分かり、気持ちを安定させることができたのです。その後も断続的に、何度か似たような経験をしましたが、一回目の激しさほどのものはもうくることはありませんでした。ただ、一回目に感じなかったことでその後の経験として、毒出しがひと段落すると、天井というか家の屋根というか、とにかく寝て布団に横になっている自分の上側にあるものがすべて取り払われてしまったような感覚になったのです。

 目はつぶっているのに、天井が開いて自分と空、宇宙が直接繋がっているような感覚になることが何度かありました。もしかすると毒を出した結果、エネルギーの流れがよくなったことによって起こる感覚なのかもしれません。現在ではもうこのようなことは起きなくなりましたが、それでも寝ている間に毒出ししていることは時々感じることができます。

 毒出しが始まると、身体が振動を始めるのです。これは感覚だけではなく、実際物理的に振動していることを確かめたことがありました。スプリング式のベッドに寝ている頃、ベッドの面に耳をつけると、身体の振動がベッドに伝わり、スプリングが微妙に振動して音を出しているのが聴こえたことがありました。セラピーの仕事をするようになってから、一年に一回くらい断食をするのですが、その時にも明らかに毒出しが盛んになります。

 こうした毒出しというのは、心が感情を感情として味わって開放できればきっと必要なくなってしまうのでしょう。しかし現実には、誰しも多くの感情を心の奥に隠し持っています。そのままだと心が辛いので、肉体にお願いして感情を物理的な毒として血液中に放出するのです。身体はそれを腎臓でろ過することで解毒しようとするのですが、それがとても追いつかないレベルになったときに、ここで書いてきたような毒出しが起きてくるのだろうと思っています。



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