私たちは、マインドと自分を同化してしまっています。そのマインドの中身とは、無数の来ては去っていく思考の集まりに過ぎません。
思考そのものが今この瞬間にあなたのマインドの中に発生したとしても、その思考がターゲットとするものは必ず過去か未来であるということに気づいていますか?
あなたの思考は今この瞬間のことをターゲットにするということができないのです。もっと平たく言えば、あなたは今この瞬間のことを考えるということができないということです。
思考と今この瞬間が出会うことは決してありません。ということは、あなたは自分を思考だと思っているので、あなた自身が今ここにいることができないということになるのです。
誰でも希望を持って生きているのですが、その希望とは未来に向けての思考に違いありません。今はこうでも、きっといつかは何かが起きる。
人によっては明確な希望を持っている人もいるでしょうけれど、もっと曖昧にいずれ何かいいことが起きると期待する、という程度の希望の場合だってあるのです。
何度も言いますが、すべての希望は未来をターゲットとした思考です。そしてそれが欲求となるのです。欲求することが、苦悩を生み出すということを聞いたことがあるかもしれません。
それは実際事実なのですが、それは必ず自分の欲求通りに今がやってくるということがないからです。欲求が大きければそれだけ、落胆することも大きくなります。
仮に欲望が叶ったとしても、あなたはすぐに次なる欲求を満たそうとし始めるだけで、永続的な満足というものを得ることはできないのです。
だからと言って、苦行層のように欲求を無くすなどということを考えてしまったら、欲求を落とすことそれ自体が新しい欲求となるだけで、自体はさらに悪化してしまいます。
無欲になろうとすることは、ターゲットが変わっただけで、それ自体が欲求なのです。今この瞬間にただ在れば、その結果としてひとりでに希望は落ちて、真実の中へと入っていくことになるのでしょうね。