時々クライアントさんから、「○○になってしまったのですが、どうしたらいいですか?」という質問をいただくのですが、私もつい、「こうしたらいいんじゃないですか?」と答えてしまうことがよくあります。
けれども、本当は何もしないことですよと伝えたいのです。私たちは、何かが起こるとすぐに、それにどう対処したらいいのだろうかと、考えてしまう根深いクセを持っているのです。
その問題解決主義こそが、次なる問題を生み出すということに気づくことです。「癒し始めてから、どうも怒りっぽくなってしまったのですが、どうしたらいいのでしょう?」
勿論答えは、「そのままでいて下さい。」なのです。怒りが出てくるようになったなら、何も特別なことをせずに、ただその怒りを味わえばいいのです。
こうした方がいいんじゃないのか、ああした方がいいのかもしれないという、果てしない問題対処主義が繰り返されて、その結果どんなことも解決することはないのです。
物事は解決するのではなく、ただそれを見ることによってのみ、その問題は自然と消滅することになるのです。これを一度でも体験することができれば、まるで生き方が変わってしまうはずです。
何が起きても、さあどうしよう?という思考に乗っ取られる代わりに、ただそれを見つめることです。そのとき、もしもあなたが何か思考を使って考える必要があるなら、あなたが考えるということが起きるはずなのです。
そのときに、不要なのは唯一あなたがやってきた、「さあどうしよう?」という思考だったのです。好きな人に振られて悲しくて仕方ないとき、私はどうしたらいいのだろう?と思うのです。
そんなときも、どうするでもなく、ただその悲しみを見ることです。ただ見ていれば、あなたは悲しみの中に深く入っていくことができ、いずれはその悲しみから解放されるはずです。
誰かに電話をして話しを聞いてもらおうとしたり、自分を振った相手のことをクヨクヨ思い返していたり、やけ食いしたりしても、何も問題は解決されないのです。
何が起きても、あなたはただそこにいるだけでいいのです。ただそのままにいて下さい。一過性の物事は、あなたが何も対処しようとせずにいてくれれば、それだけ早く通り過ぎるのですから。