自分の存在に気づいている状態を、意識があるといいますね。人間であれば誰でも、正常に目覚めている状態であれば意識があります。
人間以外の動物には、その意識がありません。彼らは、生まれてから死ぬまでずっと無意識の状態で生きているのです。
人間のような精神的な苦しみや、達成しなければならないしんどい目標もないのですから、当然彼らの毎日は遊びのようなものの連続でしょうね。
日々を満喫しているように見えます。けれども、彼らにはそれを自覚する意識がないので、自分は今満足しているということを知るすべがないのです。
人間の赤ちゃんも動物と全く同じように、無意識の状態です。私は、ハイハイもできないような赤ちゃんだった頃の一瞬の記憶があるのです。
仰向けになっていて、寝て起きたばかりで気分がいいのか、とにかく母親の方を見てケラケラ笑っている記憶なのです。とても嬉しそうなのです。
しかし、それは意識が芽生えた後にそのシーンを思い出して言えることであって、そのときには自分は気分がいいなどという自覚がないのです。
だからどれほど赤ちゃんの時の自分が幸福そうであったとしても、そのときの自分には戻りたいと思わないのです。つまり、意識を失いたくはないという強い欲求があるのです。
意識があるというのは、それほどかけがえのないものですね。自分に気づいているということを、じっくり味わってみると、それこそが奇跡だという感じがしてきます。
意識とは、驚嘆に値するものであり、その意識こそが私たちの真の姿であるということです。