悪気のない親からの強制

親というものは、子供を育てるときに、親自身の劣等感を子供に投影してしまうということが、よくあるのです。たとえば、親が学歴コンプレックスを持っていると、子供に高学歴を目指すように強制します。

経済的なコンプレックスがあると、何とか金持ちになれるようにと促すのです。そうやって、自分が実現できずに悔しい想いをしたことに対して、子供を利用してその鬱憤を晴らそうとするわけです。

何も知らない子供にとっては、誠にいい迷惑なのですが、残念なことに世間のことを知らない子供は、まんまと親の企てに乗せられてしまうのです。

親が子供に言うセリフですぐに思い浮かぶものとして、「そんなにゲームばかりしていると、バカになってしまうぞ!!」とか、「そんなテレビ番組を見たら頭が悪くなる」、あるいは「嫌いでも栄養があるから食べなさい!」など。

確かに一見すると、間違ったことを言っていないように感じるのですが、一番の問題は子供の正直な気持ちというものをないがしろしている点なのです。

それは、必死な親のマインドというものが、子供の気持ちを受け止める余裕をなくしてしまうことによるのです。 そして、そういう親は自分の主張していることは絶対的に正しいのだと決めつける傾向にあるのです。

そうなると、子供は自由な発想や、あるがままの自分にOKを出すことがとても難しくなってしまいます。その逆に、いつも親から叱られて否定されてしまうために、自分の存在価値に気づくことができないまま、大人になってしまうのです。

子供は何とかして親の期待に応えようと努力するかもしれませんし、途中であきらめて親への反抗を始めることになるかもしれません。

勿論、後者の方が将来についてはより健康な人物になるでしょうね。できるだけ早い時期に、親からの強制、束縛に気づいて、それから逃れることができるといいのです。

思い当たるふしがあると感じた場合には、しっかりと癒しをしていくことが大切だと思われます。

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