執着は手放せない

この仕事を始める少し前の頃に、あるワークショップで「執着を手放すワーク」というものをやらされたことがあったのですが、講師の人に言われるがままに挑戦したものの、まったく効果がありませんでした。

そもそもが、そんなことで自分の執着がなくなるなどとは思えなかったし、個人的には執着があることにそれほどの否定感を持ってもいなかったのです。

執着があるなら、執着があるがままにさせておこうくらいに内心思っていたからです。今から思い返すと、それは間違ってはいなかったと分かるのです。

私たちが嵌ってしまう最も典型的な間違いの一つは、自分の意志で執着を手放そうとすることだからです。昔から、「見つめるものは拡大する」という言葉があるのです。

この場合の見つめるとは、都合の悪いこと、身体の痛みや気になること、こうしたものを無くしてしまいたい、何とかできないものか、という思いで見つめているということです。

だからこそ、その対象となるものが拡大するのです。拡大するとは、それにエネルギーを与えてしまうことになるということです。人はこの悪循環になかなか気づかないでいるのです。

闘う人はいつか必ず負けることになるということと同じことですね。闘うという行為そのものが、相手に存在感を与えて、より手ごわい相手へと成長させることになるからです。

あなたが、心の底からもうそれはいらない!と思えたものは、どんな努力もなしにすぐに捨てることができるのです。手放すとは、そういうことを言うのですね。

それは自然にやってくるのです。あなたが手放したいと思っている対象に意識を向ければ向けるほど、あなたはそれを保護することになると気づかねばなりません。

執着という結果を見る代わりに、その元となる暗闇にただ光を当てることによって、それは自然と消えて行くことになるはずです。

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