世の中には、人も羨む幸せそうな人って沢山いるものですね。あの人は、才能にも恵まれているし、性格も外見もいいし、天は二物以上を与えてると。
自分もそこそこ幸せだけど、あの人には到底かなわない。そんな人がきっとあなたの周りにもいるはずです。けれども、その羨望や嫉妬は的を得てはいません。
たとえ、その本人が自分は今ものすごく幸せだと言ったとしてもです。それは、幸福感というものが、どこから来るのかということに目を向ければ明らかになります。
もしもあなたが、幸福感を持っているとするなら、それはあなたの中に不幸の種があるということを物語っているのです。つまり、幸福とは不幸との比較だということ。
比較なしには、何も感じないのです。あなたの身体が完全に健康であれば、あなたは健康を感じることはできなくなるのと同じことです。
頭が痛いときにしか、頭の存在を感じることができないのと同じこと。達成感は、まだ達成できてないときの感覚と達成した後の自分を比較するから起きるのです。
過去を見なければ、達成感はすぐに消失してしまうはずです。もしもあなたが、幸せを求めているというなら、それは間違いなく今の自分に不満を抱えているからです。
その不満は、実は求めている限り続いてしまうのです。結局、不満から解放される唯一の方法とは、何かを求めることをやめること、それ以外にはありません。
それでも求めてしまうのが私たちの実情ですね。それでも少しずつ求めるのを減らしていくことはできるようです。そして、あなたが過去や未来のあなたと今を比較しなくなったとき、幸福も不幸も消えてしまうでしょう。
それを至福と呼んだりしますが、それはあなたが至福を感じているという意味ではなく、あなたが消えて至福そのものが在るということ。