心を癒して行くために、様々な方法が考案されていますね。フロイトやユングの時代から始まった精神分析に代表される心理療法や、最近ではチャネリングやヒーリングなど、それこそ無数の手法があります。
私がセッションで行っている催眠療法も、その中の一つに過ぎませんが、数ある手法の中から最も自分に適したものを選ぶことができれば一番いいのですが、なかなか難しいかもしれません。
けれども、私のセラピストとしての経験からすると、クライアントさんがどんな手法を選ぼうと、本質的にはご本人が癒しについてどれだけ真剣かということが、一番大きいのです。
何か特定の問題が解決すればいいと考えているような場合には、癒しが進むことはまずないと思っていいのです。というのも、その問題が表面的に解決したとしても、内側深くに潜在する大元の原因が残るからです。
結局、問題を見るのではなく、自分という存在と深く関わろうとする意志、そのことへの興味、あるいは強い渇望があることがとても大切なのです。
癒しを一過性のものにするのではなく、生涯関わっていく非常に本質的な事柄なのだという自覚が必要だということです。自分と深く関われば関わるほど、そのことの意味に気づくようになるはずです。
そして、癒しの根本はどんな手法とも関係ありません。それは、何か新しいことを学ぶということでもなく、逆にこれまで培ってきた自分の常識、考え方、正しさ、そういったものをできるだけ捨てていくことなのです。
つまり、癒しとはとってもシンプルなのです。ただし、シンプルなことだから簡単とは限りません。なぜなら、一度自分の財産にしてしまったもの、自分を安心させてくれるものを投げ捨てるのは、相当の勇気がいるからです。
究極的には、あなたという存在は夢の中の住人に過ぎないということに気づくこと。そのことに気づくのは、今のあなたではなく、あなたという思考が落ちたときに復活するあなたの本質ですけどね。