褒められたい症候群

誰だって、他人から否定されたり侮辱されるよりは、肯定されたり褒められる方が気持ちがいいものですね。中には、強く褒めて欲しいと願っている人もいるでしょう。

褒めて欲しいが強ければ強いほど、それだけ侮辱されることを強く恐れてもいるのです。なぜなら、褒められることと侮辱されることは、一つのコインの表と裏の関係にあるからです。

褒められたくて仕方のない人(私はそういう人のことを褒められたい症候群と密かに呼んでいるのですが)に、是非聞いて欲しいことがあるのです。

実は、自分のあるがままをある程度受け容れるマインドの状態にあるなら、とりたてて褒めて欲しいとは思わないはずなのです。

なぜなら、褒められるにはそれなりの理由があるわけで、その理由がなければ決して褒めてはもらえないということが、透けて見えるからです。

100点取って褒められたら、20点取ったらけなされるがくっついてくるのですから。それはコインの表と裏の関係なのです。対極にあるもの同士は、必ずペアとなってやってくるのです。

その片一方だけが、その時に表面化しているに過ぎないということを見抜くことです。幼い頃に充分に受け止めてもらった体験があるなら、その人は褒めてもらうことに無頓着になるのです。

場合によっては、褒めて欲しくないと感じることもあるはず。コインの裏側が見えてしまうからですね。人を褒めるということは、何等かの成果なりに対する評価に過ぎません。

その人の存在を褒めることは不可能なことです。そして比較することも評価することもできない「存在」こそが、この世界で本質的に価値のあるものだということ。

自分の存在に常に目を向けて、それを充分に味わい、そこに肯定も否定も何もないことに気づくなら、褒められたい症候群から脱却することになるはずです。

そのときに、初めて人からの評価に対して、無頓着な状態になることができるのですね。

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