ただ自分自身で在ること

この世に生を受けて、しばらくは無邪気でいたはずなのに、いつの頃からか、「この自分のままではダメなんだ!」という間違った思い込みをしてしまったのです。

その独りよがりの思い込みこそが、その後の人生のすべての苦悩の始まりだったわけです。独りよがりとは言え、その時にはそう思い込む以外に道はなかったのですから、仕方ありません。

他の選択肢というのは、後になって考えればあり得たと思えるだけで、その当時としては無理もないことだったのです。だから、誰も間違ってなどいないのです。

けれども、思い込んでしまったことは完全なる過ちでした。「自分のままではダメなんだ!」によって、あらゆる方策を尽くして、ダメじゃない自分になろうと頑張り出すのです。

自分じゃない誰かになろうとして、奮闘努力をしてしまったのです。頑張れば頑張るほど、あるがままの自分を否定して、その存在を心の奥へと隠したのです。

余りに強く隠されると、そのエネルギーはいずれ何等かの形となって表面化することになるのです。それは、感情の爆発だったり、鬱症状だったり、あらゆる種類の問題行動だったり。

そして、そんなダメダメな自分のことを、頑張る自分が大否定してしまうために、さらなる悪循環を起こすことになるのです。こうなったらもう手が付けられません。

こうしたとんでもない生き方を根底から見直して、そもそものあるがままの自分を心の奥から呼び戻し、彼(彼女)に光を当てることができたら、人生は突然軽やかな清々しいものへと変化するでしょう。

なぜなら、自分以外の誰かになろうとして、途方もない重荷を背負ってきたからです。その重荷を降ろして、ただ自分のままで在ることに感謝する日が、一日も早く来ればいいのにと思うのです。

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