みなさんも経験があると思うのですが、子供の頃ってすごく集中力があったように憶えているのです。きっと、純粋に自分がやりたいことをやっているだけの単純さがよかったのでしょうね。
大人になると、いろいろな要因によって行動する分だけ複雑になってしまって、それだけ集中力が欠如するようになってしまったのだろうと思うのです。
いやいやながら仕事をしていて、集中することなど到底無理というものです。早く終わりにして、彼氏、彼女とデートに行きたいと思っていたら、浮足立って注意散漫になっても仕方ありません。
それでも、人間って追い詰められて、必死になっていたりすると、それなりに集中力が戻って来たりすることもありますね。切羽詰まったときのあの集中力は、ネガティブかもしれないけれどたまにはいいものです。
ところで、その集中力を養うことで、それが瞑想にも役立つと思っている人がいるかもしれませんが、それは実は全くの勘違いなのです。
どういうことがというと、集中するということはある一点に注意を絞り込むことであって、逆に言えばその一点以外のところに対しては意識のレベルが低下してしまうのです。
つまり、集中とは焦点が当たったところだけにピンポイントに意識が当たり、それ以外のところは無意識状態になってしまうということです。子供がゲームに集中してると、お母さんの声が全く聞こえなくなるあの状態です。
瞑想というのは、全方位に対してできる限り意識的になることですので、集中は瞑想の妨害になってしまうのです。集中には焦点となるターゲットがあるのですが、瞑想はターゲットが不在になることです。
その違いを理解していないと、瞑想中に気づくと集中してしまっているということが起きるかもしれません。集中は緊張を生む可能性がありますが、瞑想には決して緊張は起きないのです。
子供は集中力があって超能力とかを発揮することも多々あるようですが、その集中力がかえって邪魔をしてしまうために、彼らには深い瞑想は難しいのかもしれません。