グルジェフのこの言葉、「人の事を考えるな!」について、つい先日このブログで人の事を考えるな! その2たばかりなのですが、もう少し補足したいと思います。
私たちは、なぜ人のことをいつも考えてばかりいるのでしょうか?その理由が分からなければ、この言葉の真の意味を理解することが難しいはずです。
実は、その人のことが好きでも嫌いであっても、興味があろうがなかろうが、他人に何等かのエネルギーを向けて考えたり、気にしてしまうのは、概ね自分を守るためなのです。
私たちのエゴは、自分を守りたくて仕方ないのです。不安であれば、何としても安心したいし、孤独であればその苦しみを癒してもらうべく狙っているのです。
人の事を考えるのは、その人が自分のことをどう思っているのか、否定されてはいないか、嫌われているのではないかとビクビクしているのです。
人の評価を気にしているからこそ、その人のことを考えてしまうのです。つまりは、自己防衛のためにその人たちのことを考えずにいられないのです。
そんなことはない、自分は相手のことを思って手を差し伸べようとしているだけなのだとか、可哀想だから相手をケアしたいだけなのだと思い込んでいるかもしれません。
けれども、それも相手の気持ちを感じて、自分の内面が苦しくなるのを嫌うからこそ、つまり自分を平安な状態に置いておきたくて、相手のことを考えるのです。
結局はそれも自己防衛が目的だったということです。そのことに、しっかりと気づくことですね。グルジェフは自己防衛をやめろと言っていたのです。
人の事を考えずに、自己防衛することはほとんど不可能だからです。防衛はすればするほどエゴを強化し、愛の代わりに恐怖を原動力に生きることになってしまうのです。