私たちが睡眠中に見る夢と、目覚めているときの現実は真逆だと誰もが思っています。夢の方は、仮想のものであり、現実は事実だからですね。
けれども、どちらも全く同じ素材でできていると知ることは、とても意義あることなのです。だって、互いに対極にあるもの同士をひとくくりにできるのですから。
実はどちらも思考という素材で作られているのです。眠っている間にも、思考が物凄く働いて、夢を紡ぎ出していることは周知の事実です。
一方私たちが現実だと思っているこの世界での出来事も、実は思考を通して解釈された結果なのです。現実がないわけではないのですが、思考を通して現実を見ているということ。
夢の中でも、私たちはこの現実と全く同じように、深刻になったり、もがき苦しんだりします。夢は目が醒めたら全てなくなるのですが、現実も同じなのです。
私たちが真に目覚めたなら、この現実を形作っているすべての物語がなくなるのです。地球上には自分も含めて誰もいなかったことに気づくことになるのです。
いやいや、夢の中で誰かに殺されたとしても、目覚めれば自分が無傷であることに気づくだけだけど、この現実で死んだらもう終わりだろうと考えるのが普通ですね。
けれども、これについても同じことが言えるのです。この現実という物語の中で死ぬと、私たちが自分だと思っていた身体と自我は消滅するのですが、本当の自己は永遠の実在として在り続けるのです。
夢と現実は本質的には違いがないということに気づかされると、深刻さがどこかへ行ってしまうはずです。そしてもっと気楽に、悠々と生を楽しむことができるはずですね。