感謝できない奴はダメだ!という言葉を聞いたことがあります。それはきっと私だけではないはずです。ここだけの話し、この言葉はとても苦手でした。
というのも、自分の心のどこをどう探しても、感謝のかの字も見つからなかったからです。小学生のころから、クラスの女の子が授業中に感謝について先生と討論しているのを聞いて、ピンときませんでした。
大人になっても、まったく感謝とは縁遠い毎日でしたので、本当に冒頭の言葉は自分を暗くさせる響きを持っていたのです。
サラリーマンを辞めて、今の仕事をするようになったときに初めて、セッションに来て下さるクライアントさんに感謝のような気持ちが芽生えたのが嬉しかったのを憶えています。
この仕事でやっていけなかったら、自分の未来はどうなってしまうのだろうと思っていた時でしたので、それはとてもありがたかったのですね。
けれども、私が本当に感謝の気持ちと一つになれたのは、それまでの感謝とはかなり違った体験だったのです。それは、何も理由のない感謝だったからです。
普通は、~してもらったから感謝というように、感謝には明らかな理由があるものですね。ところが、その時の体験は、どんな理由も何もない状態での感謝だったのです。ただただ感謝!
それは自分でも相当に驚いたのですが、でもこれが感謝という言葉以外に表現しようがないとその時にはっきり分かったのです。
その体験以来、同じような体験はなかなか来なくなってしまったのですが、それでも理由のある感謝に対する味方が大分変化してしまったのです。
真の感謝には、何の理由も必要ないということ。一度でも体験したことのある人なら、きっと分かるのだろうと思うのです。感謝は愛の一つの形態だということも。