クライアントさんの中には、時々「人生の目的を知りたい」とか、「自分が生まれてきた理由は何か?」と言ったようなことに関心を持っておられる方がいらっしゃいます。
社会に順応してごく普通に生きている人であっても、そのような本質的な疑問に意識が向くことはあるかもしれませんね。でも一般的には、現実に忙しくしていれば、自然と忘れてしまうのです。
ということは、そういった疑問を抱えてセッションにいらっしゃるということは、何かしら人生がうまく行っていないという感覚を持っているということです。
自分が生きている意味や目的、人生における価値や意義といったことに意識を向けることは、決して悪いことではありません。
というよりも、自分のことをしっかり見つめているという証拠でもあるのです。けれども、そのような本質的な疑問が持ち上がったなら、気づいて欲しいことがあるのです。
それは、思考が作った物語の中で起きた疑問だということ。ひとたび、思考の世界から抜けることができたなら、そのような疑問は一瞬にして消えてしまうのですから。
目標や目的、意味や意義、価値などの観念にとらわれてしまうのは、そうしたものがこの現実の根っこに常にあるものだからです。
繰り返しますが、そのようなものは単なる観念であり、観念は思考の産物であって、どんな実体もありはしないのです。このことに深く理解できるなら、もう自分の人生の意味や価値を追い求めることもなくなります。
ところが、それではこれまで目標を掲げて頑張ってきた自分は困ってしまうのですね。何の目的もない人生なんて、どんな意味も見出すことのできない人生など、続けていけるはずがないと。
けれども、ここでもう一度気づく必要があるのです。そうやって投げやりな気持ちになるのは、エゴが困り果てて元に戻そうとしているからに違いありません。
そんなエゴの反応をそっと観てて上げることです。そうすれば、あなたはエゴから距離を取ることができるようになるはずです。