先日このブログで、真実と事実の違いについて書いたのですが、それに関連したことをもう少し突っ込んで書いてみたくなりました。
一般的な認識としては、事実と幻想はまったく正反対だと思われているはずですね。なぜなら、事実とは客観的なものであるし、幻想とか夢というのは個人的な作り物だからです。
けれども、よくよく見てみると分かるのですが、真実と事実が決定的に違うのに対して、事実と幻想とは本質的にはそれほどの違いはないのです。
それは思考について見てみればはっきりするのです。私たちが勘違いしやすいのは、事実というのは思考とは無関係だと思っている点です。
実は客観的事実であろうと、そこには各人の思考が入り込んでいるのです。誰もが思考によって似たような解釈をすることで、事実に客観性が生まれるだけなのです。
だからこそ、厳密に言えば事実の客観性というのは100%確実なものではないのです。一つの事実に対して、他人とは全く異なる解釈をする人がいる可能性は常にあるのですから。
逆にどれほど個人的なものだと思っている幻想であっても、複数の人による同じような幻想が起きることはいくらでもあり得るのです。
つまり、事実と幻想というのは、どちらも思考に基づいているという点では、同じような類のものだといえるのです。そして、思考を超えたところにあるもの、それこそが真実なのですね。