中心というものはない

人間が他のどの動物とも違って、心理的に苦悩することになってしまった本当の理由は、人間だけが意識的な部分を持つようになってしまったからなのです。

その意識が中途半端であったために、身体やマインドと自己同化することによって、個人としての自分が中心であるかのような錯覚を持つことになったのです。

そうなると、自分以外はすべて外側に位置している自分とは別のものという感覚になってしまうのは当然のことですね。それがいわゆる分離感というものです。

動物にはこうした分離感はありません。分離感は、不安や恐怖を生み出し、結果として自己防衛へと突き進んでいくことになったのです。

それがエゴの生き方であり、だからこそ愛が分からなくなってしまったのです。「私」という個人がその内側に中心となる部分を感じながら、愛に気づくことは不可能なこと。

愛とはすべては一つという感覚だからです。私がいれば、その対象として誰かがいるのです。そうした個々の間における愛とは、エゴのレベルの愛なのです。

それが悪いわけではないですが、真の愛ではないということの気づきは必要なのです。その気づきがなければ、いつまでもそれを愛と錯覚しつづけてしまうことになるのですから。

中途半端な意識から100%の意識へと変化することによってのみ、分離感が消えていくことになるのです。そのときに初めて、個人のなかにあった中心が、全体性へと移っていくのです。

そのときには、中心というものすら消えていくのです。

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