心の癒しというのは、これまで自分がやってきた「あること」に気づき、それをやめていくことなのです。そう聞くと、随分とシンプルなことに聞こえますよね。
けれどもこれは本当の事なのです。で、ずっと気づかずにやってきた「あること」とは一体何かということですが、それを一言で表現すると以下のようになります。
惨めな自分から逃れて、惨めではない自分になろうと努力してきたということ。たったこれだけのことなのですが、そのために膨大な自己防衛とそれに付随する自己犠牲を作り続けてきたのです。
だからこそ人生が辛く苦しいものになったのです。したがって癒しというのは、本当は自分がどれだけ自分のことを惨めだと思い込んでいたのかをまず思い出すこと。
惨めだという思いから一歩も逃げずに、その惨めさをしっかりと抱きしめてみるのです。そしてそれは事実ではなく、ただの思考、思い込みだったと気づくことなのです。
そもそも惨めというモノは実在しません。それは思考の中で生み出された架空のものに過ぎないのです。だから本当は恐れる必要すらないものなのです。
そこまで気づけたら、もう惨めさから逃げる必要がなくなってしまうでしょう。その結果、必死になって続けてきたあらゆる自己防衛が尻すぼみになり、自己犠牲も消え失せていくのです。
後に残るのは、惨めだという思いと闘ってきた人生という物語を、面白可笑しくただ見ることだけ。自動的にエゴは落ちていくしかないのですから。