人間というものを真正面からしっかり見ると、私達が生きる原動力は「不満」からやって来ることがハッキリと分かるのです。
不満があるからこそ「満たされたい」という欲求が生まれるのです。そしてその欲望が生きる活力を与えてくれるのです。
したがって原理的に明らかなのは、満たされることを目的として生きているにもかかわらず、万が一にも満たされてしまったなら、生きる原動力を失ってしまうのです。
それはシンプルに死を意味することになるので、私たちは決して満たされることはないのです。まずはこの当たり前の原理から目を背けないこと。
その上でこうした悪ふざけのようなジレンマから脱出するにはどうしたらいいのかを検討する必要があるのです。
そこで発想の大転換をするのです。つまり、「完全なる自己喪失こそが、完全なる自己充足を発見する」唯一の方法だと気づくこと。
自分(自我)を失うとは、自分は思考による作り物だと見抜くことであり、そのためには思考に邪魔されて隠されてきた本当の自分に気づくこと。
自分の本当の姿を見ることで、頑固な自我もいずれはひとりでに消失して行くことになるはずです。
そのためにも自分の本性を見る継続的な練習が必要となるのですね。ただし練習方法は至ってシンプル。
外の世界を見てる時、見る方向を180度変えて見るのです。その時こちら側に見えているものとは何でしょう?
外側に向かって見ていたものとそっくり同じものがこちら側にあることがわかります。それこそがあなたの本当の姿なのです。
そこには何処を探しても個人としてのあなたを見つけ出すことができないはずですので、是非試して見てください。