私たちの自我というのは実体のあるものではありません。思考の束によって、構成されているだけなのです。
その思考がどこからやってくるかというと、それは幼い頃に周囲にいた親兄弟などの思考(自我)から来たのです。
このことをよくよく見つめてみる必要があるのです。私たちはどれほど IQ が高かろうと、自分で自我を生み出すことはできないのです。
そのすべてが周囲からやってきたものなのです。そんなもので「私」という自我が構成されているということを、自我自身がどうも認めたくないようですね。
自我は自分というのは独自の存在なのだと思いたいのです。仮に、外側の要素によって作られたとしても、一度できてしまった自我は自分独自の存在なのだと。
肉体はまるまる自然界のものだと分かっているくせに、「私」という自我だけは違うものだと思いたいのです。
自我に独自性などありません。自分が考えたと思っても、実はその思考も外側からやってくるものを脳がキャッチしたに過ぎないのです。
「私」がいるこの世界と、「私」がいないこの世界とで、どちらが自然な感じがするでしょうか?素直な気持ちでそれを感じてみるといいと思います。