初めて来られたクライアントさんとのセッションで、ごくたまに感じることがあるのですが、どうしても言葉がすれ違ってしまい通じ合えないということ。
言葉のキャッチボールが上手くできずに、心地悪さを感じてしまうのです。相手の言葉は十二分に聴いて差し上げられるのですが、こちらの言葉が入っていってないことが分かるのです。
初回のたった2時間という短い時間では、クライアントさんが作った強力な壁をすり抜けて中に入っていくことはできないと感じます。
そうなると、その原因を探ろうとしても拒絶されてしまうのがおちですね。もう言葉はほとんど役に立たなくなってしまいます。
言葉によるコミュニケーションが如何に用をなさないものかということを痛切に感じさせられる瞬間です。
そんな時、少ない情報を手掛かりにただただクライアントさんと一緒の空間にいるようにしてみると、意外なことに気づくことができます。
クライアントさんをもっと楽な方向へと導こうとするエゴ的努力の代わりに、クライアントさんと同じ空気を吸うようにするのです。
そうすると何となくですが、そしてきっとほんの少しなんだろうけれど、クライアントさんが作っている壁に妨害されることのない、ある共有できるエネルギー場があると感じます。
それだけで互いの気持ちが一瞬同時に和むことがあるのだなと。そして願わくば、もう一度セッションができたらと願ってしまいます。