もうすでに10年以上が経ったと記憶しているのですが、かつてこの人はいわゆるボーダーだなと思われるクライアントさんのセッションを続けていたことがありました。
セッションにおいては、癒しの効果が出てきたかなと思われると、そのすぐ後にそれは間違いだったと気付かされるということが続いたのです。
それでも、その当時の私の気持ちは、何としてもこれは自分の愛を最大限使うことができれば、いずれは癒しが進むはずだと信じて続けていたのです。
けれども、結局は希望を持たされては裏切られ、というのを繰り返すばかりで自分のセッションなど通用しないということを思い知らされたのです。
この体験をさせてもらえたことで、セラピストとしての驕りの部分や、考えの甘さを真正面から見ることになったのです。
そういう意味では、ものすごく有難い経験をさせてもらったのです。クライアントさんの協力なしには、どんな癒しも不可能だということです。
そしてもう一つの大切な理解は、自分以外の誰の人生も幸せにすることなどできないということ。
それが分かって、肩の力がスーッと抜けたのですね。その代わり、私たちは自分の人生を満ち足りたものへと変えていく努力はする必要があるのですね。