私たちが日常的につく嘘というのは、自己防衛の一つの方法であることは間違いありませんね。
大人になると、それこそ巧妙な嘘を使うようにもなるのですが、子供のつく嘘というのは見え透いていることが多いです。
すぐに後で嘘だとバレることは分かっているはずなのに、そういうことを考えることもせずに嘘をつくのです。
それは、その場をしのげればいいという思い、今この状態から逃れられたらという切実な思いから嘘をつくのです。
昨年のことですが、家の近くで小学生の男の子が自転車ごと停車中の私のクルマにぶつかってきて、クルマにそのままにはしておけない程度の傷がついてしまいました。
その子はすぐにごめんなさいと言ってくれたのですが、これは親に伝えなければと思い、自宅はどこなのか聞いたのです。
すると彼は、親に知られるのは困ると思ったのか、引っ越してきたばかりで分からないとか細い声で言ったのです。
すぐに嘘だと分かったので、なだめすかして家まで案内させることができたのですが、母親が留守だったので夜になってから再度そのお宅を訪ねたのです。
すると、家の中から突然またあの声でごめんなさい!が聞こえてきたのです。彼はそれまでクルマにぶつかったことを言えずにいたのですね。
私はお母さんに話しておいてねと伝えておいたのですが。でもすぐに言えずにいた理由が分かりました。
そのお母さんの彼を叱責する声がいかにも怖くて厳しいのです。子供は怒られるのが恐ければ恐いほど、嘘をつくのです。
こう言った子供じみた嘘のつき方をすることがあると自覚があるなら、それはあなたの中の子供が何かしら恐い現場から逃げようとする悲しい防衛方法が残っていると思って間違いありません。
しっかりその子を癒してあげることが大切ですね。