子供のころ、父親が言っていた言葉を思い出すのですが、それは、人は生まれた瞬間から死に向かって一歩いっぽ近づいて行くことになる、というものです。
我々の常識では、誰にとっても避けることのできない共通の運命は、そのうち死がやってくるということですね。このことだけは、世界中のどんな人に対しても例外なく該当します。
病気で平均寿命よりも早く亡くなる人もいるし、怪我で一瞬によって命を落とす人もいます。どんな形であれ、誰でもいずれは死を迎えるわけですね。
そしてこのことを疑っている人はなかなかいないでしょう。しかし、最近では生まれ変わりというものを信じる人も増えています。肉体の死はあっても、魂までは死なないということですね。
「奇跡のコース」では、死はないと明言しています。命とは、生物としての生命のことだと誰でも思っていますが、コースでは本当の生命は愛だと言っています。
もしそうだとすると、愛は限りないものですし、不変のものですから生命もそれが途絶えるということはないということになります。
人間として生きているというのは、心臓が鼓動し続けることによってその生命が保たれると思われていますが、コースでは愛である限り永遠の命があるということになります。
だとすると、愛の欠落した毎日を送っている限り、真には生きていると言えないことになってしまいます。それこそ、文字通り死んだように生きているということになりますね。
死がないとすると、生物としての恐れというものが根底からなくなってしまいます。そうすると、私たちは自分を防衛する必要がなくなります。
自分を守らないでいいということは、エゴを使わずに生きて行くことができることを意味します。エゴを使わなければ、おのずと愛が100%の毎日になってしまうということです。
年齢とともに、老化するということや、いつか死がやってくるということは、エゴが自分に与えた都合のいい法則であるとしたら、どうでしょうか。
この人生というものが根底から覆ることになるでしょう。何を信じるかということを徹底的に見直してみることで、もしかしたら人生についての認識が一変するかもしれませんね。