よくぞ生きて来れましたね、と感じるクライアントさんが時々いらっしゃいます。どのようにして気持ちをやりくりすれば、その日一日を生き延びることができたのか、不思議なくらいなのです。
自分だったら、とっくの昔に死んでいたはずと本当に思えるのです。そのときに役に立つのは、このブログで何度も話題にのぼる自己防衛システムだったのです。
幼い子供は、何の希望も見出せずにいれば、ひどく絶望してしまっているはずなのです。絶望とは、大人のものだと思っているかもしれませんが、子供の方が圧倒的に絶望しているのです。
なぜなら、解決策というものを見出すことがまったくできないでいるからです。それでも、エゴの自己防衛システムによって、何とかその日を生き延びることができたのです。
ですから、私は防衛システムには感謝しているのです。それなくして、今日クライアントさんと出会うこともできなかったはずだからです。
けれども、問題は大人になった今でも、子供の頃に作り上げた防衛システムをそのまま使って生きているということです。それはもう過剰防衛もいいところだからです。
過剰な防衛は、生きるエネルギーの大部分をそのことに注ぎ込むことになってしまうため、心身ともに疲労困憊することになってしまいます。
そればかりか、自己防衛システムの存続をひそかに願うマインドによって、悲惨な現実を呼び寄せる結果となってしまうのです。それこそが、苦しみを生む元凶となるのです。
人は防衛せずとも生きていけるのです。そればかりか、、無防備でいればいるほど、愛が蘇ってくるのですから、これほどすばらしいことはありません。
あなたが毎日気づかずに取り組んでいる防衛に気づくことが先決です。気づかなければ、それをやめていくこともできないからです。
防衛を手放すことができたら、あなたはそのままの自分でいることができるようになります。今流行りの「ありのままに…」を実践することになるのです。
無防備でいることの素晴らしさに気づいたとき、マインドは絶望から深い平安へと変化を遂げることになるのですね。