ある人のことを別に何とも思っていなかったのに、その人が自分に好意を持っているということを聞いた途端に、意識するようになってしまうということがあるものですね。
こうしたことは、誰にでも多かれ少なかれ経験があるのではないでしょうか?つまり、私たちは自動的に他人の思いというものに反応してしまう傾向を持っているということです。
それが、生まれたときからずっとなら尚更のこと。物心がついたころから、家族や親せきといった取り巻きから、この子はこういう子だと思われれば、そのように自動的に振る舞うようになるのです。
この子はおとなしい子、大人の邪魔をしないいい子、自慢の子、一番を取れる子、駄々をこねたりしない育てやすい子、こんな評価を与えられたらたまったものではありません。
その子が自分らしく生きることができなくなってしまうのは、当然のことですね。子供は本来無邪気で自由に生きているはずです。そんな大人に都合のいいルールなどに興味はありません。
けれども、相手を落胆させたくないし、自分のことを否定的に見られたくないという恐れから、相手の期待に応えようとしてしまうのです。
また、親は自分が果たし得なかった願いを子供に託すという傾向があるものです。例えば、経済的に余裕がなくて、学業を諦めて働かざるを得なかった人が親になった場合、自分の子供にはどうしても大学に行って欲しいと願ったりするわけです。
こうしたことがすべて、子供にとっての重圧になってしまうのです。子供には子供の好みや志向があるのですから、それを尊重してあげる必要があるのです。
もしも、あなたが誰かの期待に応えようとして頑張ってきたという自覚があるのでしたら、どうか自分の人生を取り戻して欲しいのです。
まずは、誰のためでもなく、はっきりと自分のために毎日を生きていくことです。それができないうちは、誰かのために生きても、それはただの自己犠牲で終わってしまいます。
しっかりと自分を優先することができて、初めて人と対等に生きることができるようになるのです。あなたには、その権利があるのですから。
誰かのために生きるとしたら、自分のことを尊重することができた後です。その時には、本当に自分以外の誰かを尊重することができるのですから。