私たちはいつも自分の知覚を信じようとしているのです。自分が見たものは実際に見たままに実体があると思っているし、聞いた音も実際に存在すると考えるのです。
けれども、実在するものと知覚によって得た情報はいつも違っているのです。そればかりか、勝手な思い過ごしも沢山しているのです。
例えば物には固有の色があると感じているのですが、色という物体はこの世界には存在しません。もちろん、物質が反射する光の波長によって色が発生するというのは、周知の事実ですね。
けれどもそんなことは、普段はすっかり忘れてしまって、この色がいいあの色は濃すぎるなどといって、あたかも対象物が色を持っているように扱っているのです。
実際、肉体の目というは光の量が少なくなると、色を感じにくくなってしまうために、この世界をシロクロに見せてくれるようになりますね。
またマインドの状態も知覚を大きく影響させる力を持っています。飛び上がらんばかりに嬉しいときは、本当に瞳孔が開いて世界が明るく感じます。
場合によっては、バラ色に見えるようになるかもしれません。私は実際にそのように見えた経験があります。逆に、沈んだようなマインドの時には、やはり世界は灰色に見えてきます。
一旦、自分の知覚を信じることをやめてみることは気づきにとっては重要なことかもしれませんね。言葉は悪いですが疑ってかかるということです。
それがうまくいくと、自分の知覚を見るということができるようになるかもしれません。知覚はただそこに在るだけになる瞬間がくるのです。