私たちが、「これが自分だ」と思っているものの一番根っこの土台の部分にあるのが、幼い頃に作られた自己イメージなのです。
成長するにつれて、その自己イメージという土台の上に、背の高い建造物である大人の自分をコツコツと作り上げていくわけです。
毎日のあらゆる経験を通して、さらにそれらを元にして自分独自の生き方などを重ねることで、益々成長するのです。
けれども、どれほど紆余曲折があったとしても、大元である幼い頃に作られた自己イメージを土台にしていることに違いはありません。
そのくらい自己イメージの存在は後々のあなたの人生に多大な影響を与え続けるのです。
それほど決定的に大事なものなのに、それがどのようにして作られるのかを深く理解したなら、きっと驚くだけでなく、何を信じれば良いのか分からなくなってしまっても不思議ではありません。
実は自己イメージというのは、外側にどんな人がいて、その人たちがあなたにどのように接していたかということで作られるのです。
その真ん中にあなたがいたのではなく、全く何もないところにまるでハリボテでも作り上げるように、外側から少しずつ足されていくのです。
ちょうど雪だるまを作る時のことを思い出すと良いかもしれません。優しく優しくゆっくりと丁寧に、雪を足していくと形の良い雪だるまができますね。
逆に、面倒臭そうに雑に雪をパンパン付け足していくようなら、形のいい雪だるまはできずに、逆に歪んだ形のものになってしまうでしょう。
自己イメージもそれと同じように、丹精込めて接して貰えば丸みのある自己イメージが出来上がるし、その逆も真なのです。
どんな自己イメージであろうと、それが作られる前は「無」だったと言いましたが、それこそが本当のあなたなのです。
自己イメージを自分だと思い込んでしまったために、なんでもない自分のことを忘れてしまったのです。
だから人生で本当に必要なこととは、どんな自己イメージであれそれが偽物でしかないということを見抜くことなのですね。