誰でも今よりももっと幸せになりたいと願っているのですが、そもそもどうしたら幸せになれるのか、どうやったら満たされるのかは本当のところ曖昧なのです。
願いが叶ったら満たされる、好きな人と一緒にいられたら幸せになれる、この程度のことなら分かるのですが、そう言った類のことはどれも一過性のものでしかないのです。
私たちが本当に求めているものは、一過性のものなどではなくてずっと永続することが保証されている満足感なのです。
だとしたら、そんなものはこの世界では達成できるはずはありません。この世界そのものが一過性のもので作られているからです。
じゃあどうしたらいいのかということになるのですが、まずは一度諦めることです。自我として生きている限りは、永続的に満たされることは不可能だと認めることです。
そこでようやく、これまで見たことがなかった自我としての自分ではない、本当の自分を探究することが始まるのです。
自我は決して満たされることはないということ。満たされたら最後、自我は溶けて消えていくからです。
代わりにオリジナルの自分を探求するのです。本当のあなたは、如何なる時でもあなたの眼前に提示されています。
あなたが毎日生きている人生というのは、自我のものです。本当のあなたのものではありません。
本当のあなたは、ただそれを見ているだけ。そこには存在がないので、空間も時間も意味をなしません。
だとしたら、生まれることも消えることもなく、ただ永遠に存在を包含している唯一のものということになります。
自我を救うことはできないのですが、自我から戻ってくることは本当はいつでもできるということですね。