人によって様々な生きづらさを感じながら、それらの原因は過去のいくつかのトラウマによるものだと思い込んでいる場合があります。
あの体験さえなかったら、こんなしんどいことにはなっていたなかったはずとか、あのときのあの苦しみが元で今こんな状態になっている等々。
それが間違っているということではないのですが、セラピストの目で見てみると、特定の何かの体験がその後の人生に与える影響はそれほど大きくはならないと感じるのです。
むしろ何気ない毎日の生活の中で、どのようなエネルギーに囲まれて生きていたのか、そうした目には見えない継続的な環境の方がはるかに影響度は大きいのです。
だからこそ実は分かりづらいわけです。たとえば、親が人生と戦っているような場合、その余裕のなさは幼い子供に強く影響を及ぼすのです。
これといって怒られたわけでも、口うるさく注意されたのでもなく、あるいはひどい仕打ちを強いられたわけでもないのに…。
子供は親の関心が自分には向いていないということを察知してしまい、さらには余裕のない親に迷惑をかけまいとして自己表現を抑えてしまったりするのです。
生きづらさが幼い頃の親子関係からくると理解できたとしても、自分だけで安易に分析しても役に立たない場合が多いかもしれません。
そんな場合には、プロのセラピストの力を借りてみるのも悪くないと思います。考えもしなかったところに、解決の糸口を見いだせるかもしれません。