他者の為にも自分を満たす必要がある

先日、動画サイトのお勧めに上がってきたとある動画を観たのですが、これがどうしてどうして泣けてくる内容でした。

明日にでも殺処分になるという保護犬を見に行って、その中の一匹を引き取る事になるのですが、その犬の怯え切った姿があまりにも痛々しいのです。

檻の一番奥の隅で全身で震えながら、頭を深く垂れて上目使いで、何とも頼りなく悲しそうにこちらを見ているのです。

ところが不思議なことに、飼い主さんが連れて来た一匹のワンちゃんを見るなり、檻の柵のところまで寄ってきて、二匹が鼻と鼻をくっ付け合ったりするのです。

飼い主さんは、この子を連れて帰れということなんだね、と飼い犬ちゃんの気持ちを察してあげるのです。

ちなみにその飼い犬ちゃんも、かつて殺処分になるところを救ってもらった元保護犬なんだそうですが、今では幸せいっぱいに暮らしている事が伝わってきます。

引き取って数ヶ月が経ち、新入りの方のワンちゃんが、次第に慣れて来てようやく散歩ができるようになってきたのですが、いざ身体にハーネスをつけようとすると、急に怯えてしまうのです。

散歩に行くことは喜んでいるのに、どうしてもハーネスが怖くて、震えて逃げてしまうので、飼い主さんも困ってしまうのです。

きっと何か身体を縛られるような辛い体験をしたのでしょうね。それがトラウマになってしまっていて、ワンちゃん自身もどうにもならないのです。

それを見ていたもう一匹の先輩のワンちゃんが、「この子は怖がっているから代わりにそのハーネスは僕がつけるよ」、とばかりに飼い主さんの手にあるハーネスの中に自分の頭を突っ込んでくるのです。

そんなことってあるんだろうか?飼い主さんに「あなたは自分のハーネス付けてるからいいの」とはずされても、しばらくするとまたハーネスに頭を入れようとするのです。

「代わりに僕がつけるから、怖がっているこの子を許してあげて」と一生懸命身体で訴えているのでしょうね。

こうした他者に対する優しさというのは、きっと人間だろうとその他の動物であろうと本来持っているものなのですね。

但し、それを使えるのは自分自身がある程度満たされている必要があるのだろうと思います。だとすると、私たちは自分のためにも他者のためにも、自分を満たしてあげる必要があるということですね。