「ノー」を言うことの大切さ

私たち一人ひとりの人格形成というのは、生まれてすぐに開始されます。初めは泣くことによって、自分の欲求を表現するというものです。単純ですが、ここからスタートするのです。

そのうち、自分にとって心地いいものを欲しがり、いらないものには容赦なく「ノー」を突きつけるようになるのです。この、「ノー」という表現こそが最も大切な人格形成の基礎なのです。

なぜなら、「ノー」がその子の個性を守ることになるからです。親の好みや考え方、ルールが子供に与えられたときに、もしも「ノー」を言えなければ、その子の個性は闇の中に葬られることになるからです。

私たちは、幼いときに全方位に対して「ノー」を表現することで、自分の周りに「ノーの壁」を作り、大切な自分だけの個性を守ろうとするのです。

「ノーの壁」の内側が自分の個性であり、幼いうちにそこをしっかり守って誰からも侵略されないようにする必要があるのです。その内側が自分の人格を形成する大事な土台となるのです。

けれども、何らかの理由によって、十分に「ノー」を言えなかったり、言ったとしてもそれを受け止めてもらえないことが続くと、子供は「ノー」を言わないことで生き延びようとし始めるのです。

そうなると、大抵は親のエネルギーによって侵略されてしまうため、大人へと成長していく段階で、自分固有の好みや考え方が分からなくなってしまうのです。

最終的には、自分がやりたいこと、自分の気持ち、自分の感情、そうしたことまで分からなくなってしまうのです。自分とは誰なのか、しっくりこない人生が待っています。

幼いときに作った「ノー」を言わないで生き延びるルール、それをいまだに使って生活していることに気づき、できるところから「ノー」を表現するようにすることで、人生を変えていくことができます。

表現しないまでも、少なくとも心の中では十二分に「ノー」が言えるようにしていくことです。「ノーの壁」の内側に入り込んでしまった自分以外の誰かのエネルギーを徹底的に追い出してください。

そうすれば、あなたのオリジナルと少しずつ繋がっていけるはずです。その時こそ、自分が生きている、自分を楽しむことができる人生を手に入れることができるのです。

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