偏食

幼い頃から好き嫌いせずに何でも食べられる人っているものですね。それに比べると、自分はひどい偏食でほとんど食べられる物がないくらいでした。

肉類も野菜も果物も全滅で、玉子焼きや乳製品と後はお菓子類で育ったようなものです。ですから、食事の時間が待ち遠しいという経験がありませんでした。

こうしたものは個性として生まれながらに備わっているものなのかもしれませんが、それにしても何でもおいしそうに元気よく食べられる人が若干羨ましかったのを覚えています。

だからといって、食べられるように努力するわけでもなく、小学校に入って給食が始まったときには大変でした。というより、主食の食パンにバターを塗ってそれだけをかじってた記憶があります。

それでも幸か不幸か、嫌いなものを食べるようにと強制されたことがただの一度もなかったので、苦しかったという経験はありませんでした。

そして、ひどい偏食は年齢とともに少しずつ解消されていき、高校生くらいになると果物の一部と肉類はやや食べられるようになりました。

それが大人になるに従って、食べられないとして口に入れることもしなかった様々な食べ物を口に運ぶようになって、ようやく偏食はかなり改善されたのです。

何でも好んで食べるというわけではないですが、今では珍味といわれるような、人が比較的敬遠するような臭みのあるものほど、好きになったりしています。

これは私の考えなのですが、幼い時に嫌いなものを食べるようにと強制されなかったことが功を奏したのではないかと思っています。

無理やり食べさせられる経験を積むと、それを乗り越えて普通に食べられるようになるか、あるいはトラウマになってその食べ物を二度と食べれなくなるかのどちらかではないかと考えています。

幼いころに厳しい幼稚園に通っていたある牛乳嫌いのクライアントさんが、毎日無理やり飲まされたおかげで、大人になって全く飲めなくなって、牛乳を見るのも辛いと言っているのを聞かされたことがありました。

育ち盛りのお子さんの偏食で困っておられる親御さんがいらっしゃるかもしれませんが、無理強いは禁物です。逆効果になってしまう可能性大です。

あまり心配せずに、大人になったら自然と食べられるようになるものだというように広い心で見てあげることです。人間の身体は嫌いなものを食べても、消化吸収しないと聞いたこともあります。

逆に、本人の大好きなものを楽しく食べさせてあげると、身体も喜んで最大の消化吸収の能力を発揮してくれるのです。

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