困ったときこそ大チャンス

幼いときに、不運にも親の精神状態が非常に悪くて、甘えることも信頼することもできずに過ごしてしまうと、当然ですがとても強力な自己防衛システムが、自覚のないままに作られてしまいます。

そんな状態では、幼い子供は周りの環境が気に入らないと文句ばかりを言っている場合ではなくなります。そんなことをしても、自分を救うことができないと理解するからです。

誰かに頼ろうとしても、それが叶わないことだと悟れば、自分の力で何とか生き延びる術を探り当てて、必至になって自分を守ろうとするようになるのです。

その自己防衛の方法は様々ですが、泣き言を言わずにすべてを自分の内部で処理してしまおうとするなら、自己否定感を用いるのが最適なのです。

自分がダメだからとか、自分が周りの期待に応えられていないとか、自分が弱いので誰かに迷惑をかけてしまっているなどといった根も葉もないウソで自分を責めるのです。

それを力いっぱい続けていけば、自分の中の怒りや不満に翻弄されることがなくなるのですから。いつも誰かに気を使って、相手の気持ちを優先して場を丸く収めるようにしたり。

そして当然のことながら、自己否定感は大切な自己表現や感情表現を抑えることにもつながります。一体、自分の本当の気持ちは何なのかも分からなくなってくるでしょう。

自己否定にばかり重きを置くことで、自分の正直な気持ちや感情を抑圧してしまうからですね。こうなると、あるとき急にそれまで頑張れていたことができなくなってしまいます。

やる気がなくなり、身体が思うように動かなくなってしまいます。それが鬱症状の典型的な状態です。それまでのあまりの自己犠牲に対して、防衛本能が今までの生き方に強制ストップをかけたわけです。

そのときこそがチャンスです。自分の心がどのような経緯で出来上がってきたのか、なぜ自分はゆったりと穏やかに生活ができないのか、落ち着いてその原因を突き止めることです。

一人でできない場合には、プロのセラピストに協力してもらうことも必要かもしれません。いずれにしても、困ったときが大チャンスですね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA