結果が原因を誘起する

昨日は、逃げれば逃げるほど恐怖は増すというお話しをしました。怖いから逃げるのが原因と結果の因果関係なのですが、結果である逃げる行為が原因であった怖いという状態を誘起するということでした。

実はこの原因が結果を誘起するというのは、このほかの様々なことにも適用されることなのです。普通の元気な精神状態の時に、わざと悲しいときに自分が泣くときのまねをしているだけで本当に悲しくなってきたりします。

以前ブログかコラムにも書いたことがあるのですが、気分が落ち込んでいたときに、この気持ちを何とかしようと思ってクルマの中で大笑いをしてみたことがありました。

すると、しばらく続けているうちに楽しい愉快な気持ちに変化することができたのです。何も笑えるようなことなどなかったのですが、笑うという行為によって実際には笑う原因がなくてもお笑い番組を見てゲラゲラ笑っているときのような気持ちになりました。

なぜこのようなことが起きるのかは専門家に聞いてみれば、きっと何らかの科学的な説明をしてもらえると思います。

自分なりに考えたことは、からだや心の条件反射的なものなのではないかと思っています。つまり、普段、可笑しいと思うときには笑うという行動をしているため、それが条件付けされてしまうということです。

そして、その条件付けされたものが、原因と結果という因果関係であるだけでなく片方が起きればもう片方も誘起されるという結果を生むのだと思います。

このことをうまく利用することで様々なことに有効活用できるのではないかと思っています。例えば相手をもっと好きになりたいと思うのであれば、もっと好きになった自分ならきっとこうするだろうという事をすることによって、相手を思う気持ちが強くなるはずです。

求めるよりも与える人生にしていきたいと思うのでしたら、心が伴わずともなるべく与える自分の行動をし続けることで、与える心が誘起されるはずです。