忘れずにいる方法

あることから意識がそれないようにして、ずっと自覚できるようにしておこうと思っても、少しすると忘れてしまうことは誰でもよく知っていることですね。

例えば家に戻ったら、真っ先にあの人にメールを打たなければと思っていたはずなのに、気がついたら帰宅してからもう一時間も経つというのにメールするのを忘れていたなど。

こういうケースは困りものですが、この忘れてしまうということは場合によってはとても役にも立っているのです。例えば、いつまでもいやなことが頭にこびりついて離れなかったら辛いでしょう。

また夜寝るときに私たちは寝るということを忘れてしまわない限りは寝ることが出来ません。寝るんだ寝るんだと思っていると、いつまでたっても寝入ることができないわけです。

この自然に忘れていくという人間の能力は、このように困るケースと役立つケースと両方あるということですね。

少しこんがらがるかもしれませんが、逆に言うと意識的に忘れようとしても忘れることはできないということも経験上知っています。

例えば今この瞬間静かにじっと目をつぶっていながら、今自分がそうして目をつぶっているということを意識的に忘れることはできませんね。

何かの思いなり考えなり、記憶なりが心の中にいつのまにやらやってきた時に、その瞬間自分が目をつぶって静かにしているということから意識が離れていくのです。

これを意識的に利用することは可能です。つまり、あることから意識を逸らすために、何か別のことを考えるようにするわけです。そうすると、いずれはそのことを忘れていくことになります。

ですがくどいようですが、そのことを忘れようと意識してそのことを忘れることはできません。なぜなら、そのことに意識が向いているからです。

このことは逆利用することが可能です。つまり、忘れては困るようなことを忘れないようにするために、そのことを意識的に忘れようと頑張るのです。

そうすると、大抵は忘れずにそのことに意識を向け続けることができます。今日一日、それを利用して奇跡のコースのワークの言葉(想念)をずっと忘れずにいようと思います。