人は基本的には優しい存在です。だから、誰かが落ち込んでいる時や、悲しみにくれているときなどに、心から慰めてあげたいと思うのです。
優しい言葉をかけてもらえたら、少しは元気を回復できるかもしれませんし、励ましてもらえたら、前向きな気持ちになれたりもするでしょう。
それが実感できたら、慰めてもらったことに対して感謝の気持ちも出て来るはずですね。ところが、ここには大きな落とし穴があるのです。
落ち込んでいる時には、とことん落ち込む必要があるのです。悲しみがやってきているときには、とにかくその悲しみを徹底的に味わうこと。
それをせずに、表面的にかわしてしまえば、そのエネルギーは抑圧されてしまうのです。そしていつかは、それが仕返しにやってくることになるのです。
冷たいようですが、何であれ慰めの言葉や態度は十全に味わうことを妨害してしまう危険性があるということに気づくことです。
小さな子供が何かに腹を立てているなら、あやしたりオモチャを与えて気を紛らしたりは決してしないことです。しっかりその怒りを感じさせてあげれば、その子はスッキリと明日を迎えられるのですから。
自分の気持ちを抑圧してきてしまった親に限って、子供が全身で泣いたり叫んだりすることを止めてしまうのです。中途半端は後を引くとも知らずに…。
慰めは愛ではなく同情かもしれません。自分のことも、人のことも、愛を持ってただ見守ることですね!