二種類の夢

夢には二種類のものがあるのです。その一つは、目を閉じてみる夢であり、もう一つは目を開けてみる夢。前者の方は誰でも知っている眠っている時に見る夢のことです。

後者の方は、朝起きてから寝るまでの活動中にみている夢のこと。つまり、私たちがこれが現実だと思って固く信じているもの、これも夢なのです。

この二種類の夢には勿論共通することがあります。一つは、どちらも思考という素材によって出来ているということ。思考が両方の夢を紡いでいるのです。

そしてもう一つの共通点は、どちらも夢であるということの認識を持てないまま、その夢の中にいるということ。

寝ている間に見る夢の中で、それを夢だと認識することは通常ありませんね。ごく稀に、気づくこともあるのですが、その時はすぐに目覚めてしまうはずです。

なぜなら、夢とは無意識の中にしか存在できないからです。気づくということは、意識的であるということなので、夢は消えてしまうのです。

それと同じことが、現実という夢についても言えるのです。私たちは目覚めて活動している間は意識があると思っていますが、その意識の約10倍は無意識なのです。

そんな状態でいるからこそ、夢を見続けてしまっていて、しかもそのことに気づくことができないでいるのです。

あるがままの現実が夢だと言っているのではなく、私たちが認識しているこの現実、物語に満ちているこの人生こそが、夢だと言っているのです。

私たちの無意識がすべて意識になって初めて、本当にあるがままの現実を目撃することになるのでしょうね。それが夢から醒める、覚醒ということなのです。