私たちの心の奥に巣食っている不満というのは、自分は個人だという錯覚からやってくるのです。つまり自我として生きることと不満とは一つものなのです。
不満というのは、欠乏感なのです。自分という存在のままでは足りないという感覚があるということです。
それと同時に、不安と孤独も付属しています。だからそうしたものを払拭しようとして戦い続けるのが人生なのです。
その上、私たちが受けて来た教育というのは、自我を益々成長させて強大にさせるようにできているのです。
よりよい自分になりなさい、目標を持ちなさい、価値ある自分を目指しなさい、向上心を持て、計画的に生きなさい等々。
こうした教育という名の洗脳を幼い頃からずっと受けて来てしまったので、自我は衰えるどころかより活性化してしまったのです。
それでも救いはあって、やり過ぎてしまった人にはおのずと気づきがやってくるのです。何かがおかしい、いくら頑張っても満たされないぞ。
もうこれ以上自分を騙し続けられないと分かった人から、根本的な見直しのサイクルが始まるのです。
あらゆる不満、不安や孤独、戦いの連続の原因は自我との同化だったのだと理解すれば、そこから人生の見方が変わっていくのです。