「全ては一つ」を思い出す

私たちは、誰かと一体になりたいと願っているのです。何かと一つになることができたら、至福を感じるからです。

その一方で、自分からすべてが離れたところにあると感じれば、不安と孤独でいっぱいになってしまうのです。

別の言葉で言えば、疎外感や分かり合えない状態、自分の気持ちがまったく通じないなら、これほど惨めなことはありません。

これが鍵なのです。つまり、自我として自立した一人の個人として生きていると思い込めば、必ずや不安と孤独、そして惨めさがつきまとうのです。

自我という個人が何かと一つになることは不可能なのですから、自我として生きている限り、ほかのどんな望みが叶ったとしても満たされることはありません。

所詮は独りぼっちなのです。けれども、ほんの一瞬であれば自我であることを忘れる瞬間はあるのです。

そのときには、個人という枠組みが消え失せて、すべてと一つであったことを思い出すのです。それが真実の愛という状態ですね。