引き裂かれたマインド

うつ症状が起きると、いつもは普通にできていたことがとても億劫に感じたりしてできなくなってしまうものです。

つまりは、意欲を削がれてしまう感じになるのでしょうね。その理由は非常にシンプルで、意欲が戻ってしまうとまたあの過酷な生き方をし出すと分かっているからです。

そもそもなぜうつ症状を起こすかといえば、それまでの生き方ではもうどうにも立ち行かない、もう無理だと叫んでいるマインドがいるからです。

それは突然やってきたようにも思えますが、実はずっと長い間かけて少しずつ「嫌だ」を蓄積してきた結果でしかないのです。

自分を守って安心させたいが強すぎて、どんな自己犠牲も厭わずに頑張ってきてしまったツケがまとめてやってきたのが、うつ症状なのです。

だからそれは自己治癒力が発動したと解釈すればいいのですが、それがまた難しいのです。

なぜならこれまでの生き方を先導してきた自分にとっては、意欲を削がれて何もできない自分など、どうにも価値がなさ過ぎて受け入れ難いからです。

身体も心も動かないような状態になっているにもかかわらず、ほんの少しだけ残っている「何とかしなければ」で焦り、悶え苦しむのです。

このどっちつかずの状態が一番の地獄かもしれません。頑張ろうとする自分と、もう何もさせたくない自分との間の綱引き状態で、マインドは引き裂かれた状態になるからですね。

うつ症状が起きたら、最も大切なことはこうしたマインドの有り様をしっかりと理解してあげること。

この引き裂かれたマインドをど真ん中から、ゆっくりと静観してあげることです。しばらくそれをしても決して死にはしないのですから。

そうしているうちに、これまで気づけなかったどちらでもない自分というものを発見するようになって、引き裂かれ状態は緩和していくはずですね。