共感能力

常々感じていることなのですが、男性に比べて女性は桁違いに共感能力が高いようですね。これはもちろん一般論としてということですが。

そういった能力というのは、最終的には個人の資質によるところが大きいのでしょうけれど、でも私の経験では女性はより共感的に接してくれるという体感を持っています。

ただし、共感能力が高いからといって深く共感してくれるという保証があるわけではありません。なぜなら、実際に共感するかどうかはその時そのときの本人の気持ちに左右されるからです。

つまり、共感できるということと、共感するということとはまったく違うことなのです。私自身でもそれは具体的に思い当たることがあります。

内面的には共感できることであったとしても、共感したくないという場面があるからです。それは、相手にもよるでしょうし、その場の状況にも左右されるはずです。

そういうことをすべて含めたとしても、やっぱり男性より女性の方が圧倒的に共感的な人が多いのは事実のようです。でもそれはなぜなのでしょうか?

かつて、男性は狩猟によって食料を確保するのが主な仕事であったのに対して、女性は子育てが主要な仕事だったからかもしれません。

幼い子供は育てられる過程において、気持ちを受け止めてもらうことがそれだけ大切だということを示しているとも言えますね。

したがって、現代においても子供は父親よりも母親から共感してもらうことのほうが多いということになるのでしょうか。その逆のケースだってないわけではないですが…。

その母親に共感された体験があまりにも少なすぎると、子供は成長して大人になったときに心の中にある種の不具合が見つかるのです。

それは大抵、自分を肯定的に捕らえることができなくなっているような状態を引き起こすのです。自己価値が低いという表現で言われることもあります。

そうした状態から脱出するためには、自ら率先して周りの人に共感することです。そうすると、必ずそれは自分のもとへ帰ってきます。つまり、共感してもらえる経験をするようになります。

そうやって、共感の欠乏感を癒していくことができるのです。問題は、共感体験が少ないと、共感しようという意欲も少なくなってしまうことです。そこがクリアできると、問題は自然と改善していくように思います。