「罪悪感よ、いらっしゃい!」

恐怖と罪悪感というのは、どちらも自我(エゴ)にとってはなくてはならない武器なのです。もしも、この二つのエネルギー両方のシャワーの中で育てられたなら、その子はどうしようもない窮地に追いやられてしまうはずです。

親の怒りが激しければ激しいほど、子供の恐怖はとてつもなく大きなものになってしまいます。そうなると、子供は素直な自己表現ができなくなってしまうのです。

それは当然な成り行きですね。親自身は自覚のないままに、子供を自分の都合のいいようにコントロールしたいがために、怒りによって子供を恐怖で縛るわけです。

これだけでも子供の無邪気さ、無防備さは阻害されてしまうのですが、さらにその親が子供に罪悪感を感じるように仕向けるとするなら、そこでも子供は二重に自己表現を抑圧させられることになるのです。

特に、子供の感受性が鋭くて敏感体質であればあるほど、この罪悪感攻撃はツボにはまってしまうのです。繊細な子供がいつまでも親に反抗できずにいるのは、恐怖よりもむしろ圧倒的に罪悪感が原因なのです。

恐怖の方は、子供の成長とともに薄らいでいくものです。子供の身体が親のそれを超えるくらいに成長するようになると、子供はそれほど親に威圧されても恐れずにいられるようになるものです。

勿論それには例外もあって、いつまでも昔の親の恐怖にずっと縛られているという場合もあります。けれども、罪悪感の方が何倍も始末が悪いのです。

もしもあなたが、恐怖と罪悪感の包囲網に窒息しそうになって生きてきたなら、莫大な怒りが溜まってしまっていると考えて間違いありません。

癒しの最初のステップでは、その怒りを味わって味わって解放していくことです。そしてその次に、手がけなければならないことは、恐怖や罪悪感と対面することです。

とくに罪悪感は、じわじわとあなたの首を真綿で締め上げるような感じがするため、派手さはないものの確実にあなたの自由が奪われてしまうのです。

もうけっして罪悪感を恐れないことです。あなたが単刀直入に相手に自己主張するようになれば、必ず大きな罪悪感があなたを攻めにやってきます。

その時こそチャンスなのです。「罪悪感よ、いらっしゃい!」とつぶやいて、それをとことん見てあげることです。罪悪感から逃げずに、罪悪感と闘わずに、ただそれを迎え入れるのです。

もしもそのコツがつかめたら、もうあなたは罪悪感に人生を破壊されることはなくなるはずです。そのときにこそ、あなたは自分の本当の人生を生きることができるようになるのです。