子供の問題行動に感謝すべき

子供を持つ親の気持ちというのは、基本的には同じです。どの親も我が子にすくすくと育って欲しいと願っているし、間違った方向へ行かずに社会の中で立派に生きて行って欲しいと思っているのです。

そうした気持ちは愛からやってくるのですが、そこに親が元々持っていた不安が混じってしまうと、そのありがたい親の気持ちが却って子供の人生に悪影響を与える結果となるのです。

なぜなら、親の気持ちにゆとりがなくなってしまい、親の正しさを子供に押し付けてしまう可能性が高くなるからです。場合によっては、激怒や暴力なども起きるかもしれません。

そうなると、子供は親が自分のことを思って叱ってくれてるのだと理解できたとしても、恐怖によって心が委縮してしまい、自由な自己表現や感情表現ができなくなってしまうのです。

一生懸命過ぎる親にとっては、反抗しない子供の態度は都合がいいので、表面的には親子関係に問題はないと錯覚してしまうこともあるはずです。

けれども、子供のハートは恐怖によって閉ざされてしまうために、まともな成長が阻まれてしまうことになってしまうのです。

そして、ずっと内在していた子供の心の中の鬱憤、怒り、「自分の自由にさせてよ」という正直な気持ちの抑圧が限界を迎えるときがやがてくるのです。

それは確実にやって来ます。それは、不登校という形として顕われるかもしれないし、非行のような形をもって現れるかもしれません。それが、どんな行動であれ、それはすべてが問題行動として知られているものなのです。

もしも自分の子供に何等かの問題行動が起きたときには、その行動だけを問題視して解決しようとしても、全く意味がありません。親が力づくでそれを修正しようとすればするほど、更に深刻な問題行動を引き起こすことになりかねません。

また、子供の気質が繊細であればあるほど、こうした傾向は強くなるものですし、家族の誰かを悪者にするのも得策ではありません。

問題行動を起こしている子供自身よりも、まずは両親の心の癒しが必要であると気づくことです。親が大切なことに気づくチャンスを、子供が与えてくれたと理解できると、何かが変化し始めるはずです。