達成者のマインド

私たちは、誰でもゆっくりとくつろいでいたいという気持ちがある反面、もう一方では急がないとと思ってもいるのです。それは、あなたのマインドのどこかに、「早くしなさい!」と急き立てる部分があるからです。

私自身の感覚では、その声は小学3年生くらいから強くなってきたように思うのです。幼稚園のころは、のんびりと、おっとりと生きていた感覚がまだ残っているからです。

小学生になって、何かと急がされることが多くなったのです。早く給食を食べないと、早く問題を解かないと、それができなければ自分は落伍者になってしまう、そういう危機感を持たされるようになったのです。

そして私のマインドは、それを巧みに取り込んで、自分の言動力としてしまったのです。そして、今だにマインドのその部分は私の尻をたたきながら、私を急がせるのです。

意識的になっている時だけは、そのマインドに乗っ取られることも、抵抗することもなく、ただそれを脇に置いておくことができるのです。

けれども、一たび非意識的な状態に陥れば、マインドの思うままに操られてどこかへ向けて急ぎ出してしまうのです。どこかに向かう目的地などないというのに。

私たちが急ぐ理由は、マインドが目的志向だからです。そもそも、マインドは目的がなければ、それ自体の意味を失ってしまうのです。だから、マインドは今この瞬間にとどまっていることができません。

目的地へ到達しなければならない、何かを達成しなければならない、それが本当であれば人生は短いのだから成程急がなければならないということになるのです。

ここで、はっきりさせましょう!生に目的などありません。どんなゴールもありません。達成するべきどんな事柄もありはしないのです。生の目的は生そのものなのですから。

マインドにそそのかされて、ただ急いでいないかどうか、自分を観察してあげることです。そのことに気づくためにも、瞑想が一番手っ取り早いのです。

過去はもう消え失せてしまったし、未来はまだ来ていないのに、達成者のマインドは未来ばかりを気にしているのです。完全に意識的になれば、今の中に落ち着くことができるのです。

その時、マインドと同化しているあなたはどこにもいない状態となるのです。それがどれほど清々しいものか、一度でも体験したことがあれば分かるはずです。